ハイブリッド車でもバッテリー上がりは起こります。ハイブリッド車には走行用の駆動用バッテリーと、システムの起動や電装品に使う12Vの「補機バッテリー」があり、外から電気を送る救援(ジャンピング)で対処するのは補機バッテリーのほうです。ここでは、補機バッテリーの場所、救援の受け方、そしてハイブリッド車がほかの車の救援に使えない理由を、メーカーの公開情報に沿って説明します。
ハイブリッド車は、12Vの補機バッテリーが上がると、走行用のバッテリーが残っていてもハイブリッドシステムを起動できません。救援で電気を送るのも、この補機バッテリーです。
ハイブリッド車でもバッテリーは上がる?
上がります。ハイブリッド車には走行用の駆動用バッテリーと12Vの補機バッテリーの2つがあり、どちらも長く乗らずに置いておくと上がります。
トヨタによると、補機バッテリーはハイブリッドシステムの始動や、オーディオ・ライトなどの電装品に使われます。長期間の放置のほか、次のような使い方でも上がることがあるとしています。
- 走行中に、後付けの電装品(オーディオアンプやセンサー類など)を過度に使い続けている
- エンジンを切って停車している間に、照明・オーディオ・アクセサリー電源・ドライブレコーダーの駐車録画などを過度に使い続けている
予防の目安として、トヨタは2週間に合計30分、冬は2週間に合計80分を目安に運転するよう案内しています。
補機バッテリーが上がったときのサインは?
パワースイッチを押しても「READY」が点かず、室内灯が暗い、ホーンが鳴らないといった状態なら、補機バッテリー上がりが考えられます。
JAFは、始動操作をしてもエンジンがかからない(READYにならない)ときに、ルームランプが暗い、ホーンが鳴らない場合はバッテリー上がりの可能性があるとしています。電気自動車やプラグインハイブリッド車についても、システムが立ち上がらず、ヘッドライトが点かない、ホーンが鳴らないときは12Vバッテリー上がりを疑うよう案内しています。
ハイブリッド車でほかの車を救援できないのはなぜ?
ハイブリッド車や電気自動車は、原則としてほかの車のバッテリー上がりの救援に使えません。救援に使うと自分の車が走れなくなるおそれがあると取扱説明書に書かれている車種もあります。一部のマイルドハイブリッド車のように、救援できる車種もあります。
JAFは「ハイブリッド車は車の構造上、他の車のバッテリー上がりを救援することはできない」と案内しています。メーカーも、車種ごとの取扱説明書やFAQで同じように案内しています。
- トヨタ — アクアの取扱説明書に、救援用端子を使ってほかの車のバッテリー上がりを救援することはできないと書かれています
- ホンダ — インサイトの取扱説明書に、自車の端子で別の車を救援すると、自車が走行できなくなるおそれがあると書かれています
- 日産 — 自車の12Vの電圧が下がると、システムの誤作動を防ぐ機能が止まるおそれがあるため、電気自動車・ハイブリッド車では救援できないと説明しています
ただし例外もあります。日産は、デイズ(AA1)・ルークス(BA1)・セレナ(C26・C27)のS-HYBRID車は、ほかの車の救援が可能だとしています。救援する側に回るときも、まず取扱説明書を確認してください。
救援を受けるときはどこにつなぐ?
補機バッテリーに直接つながず、「救援用端子」につなぐ車があります。端子の有無と位置は車種ごとに違うため、取扱説明書で確認してください。
トヨタは、補機バッテリーが上がったときに、補機バッテリーに接続せず「救援用端子」に接続する場合があるとしています。救援用端子の有無は、取扱説明書の「補機バッテリーがあがったときは」の項目で確認できます。たとえば現行型アクアの取扱説明書では、ボンネットを開けたヒューズボックスの中に救援用端子があります。
つなぐ前に、電子キーを身につけていることを確かめてください。車種によっては、ケーブルをつないだときに防犯装置が働き、ドアが自動で施錠されることがあります。
つなぐ順番はガソリン車と同じです。赤いケーブルを自分の車の+(救援用端子)と救援車の+に、黒いケーブルを救援車の−と、自分の車の取扱説明書で指定された金属部(ホンダ車はスタッドボルト)につなぎます。指定の場所以外にはつながないでください。電子機器を傷めるおそれがあると取扱説明書に書かれています。詳しい手順はブースターケーブルのつなぎ方と外し方にまとめています。
つないだら救援車のエンジンをかけ、回転を少し高めに保って数分間充電します(現行型アクアの取扱説明書では約5分)。スマートエントリー車は、パワースイッチがOFFの状態でいずれかのドアを一度開け閉めします。そのあと、救援車のエンジン回転を保ったまま、パワースイッチをいったんONにしてからハイブリッドシステムを始動し、メーターに「READY」が点いたことを確かめます。手順は車種によって違うため、自分の車の取扱説明書を優先してください。始動できても、トヨタは早めに販売店で点検を受けるよう案内しています。
救援車には、12Vのバッテリーを積んだ車を使ってください(ホンダの取扱説明書もこの条件を指定しています)。JAFによると、トラックは電圧が24Vと高いため救援車に使えません。
車種別:補機バッテリーはどこにある?
補機バッテリーの場所は、メーカー・車種・年式によって大きく違います。ここでは代表的な車種を、メーカーの公開情報から抜き出しました。下の表にない年式は、取扱説明書かメーカーの公式サイトで確認してください。
トヨタのハイブリッド車(プリウス・アクア・シエンタなど)
| 車種(切替時期) | 補機バッテリーの位置 |
|---|---|
| アクア(2011年12月〜/2021年7月〜) | リヤシート下(運転席側)のカバー内 |
| プリウス(2009年5月〜2015年12月) | ラゲージルーム下部(運転席側)のカバー内 |
| プリウス(2023年1月〜・2.0L車のみ) | ラゲージルーム(運転席側)のラゲージサイドトレイ内 |
| シエンタハイブリッド(2015年7月〜2022年8月) | ラゲージルーム(助手席側) |
| シエンタハイブリッド(2022年8月〜) | 2WD:ラゲージルーム(中央)/E-Four:ラゲージルーム(助手席側) |
| ヤリスハイブリッド(2019年12月〜) | リヤシート下(運転席側)のカバー内 |
出典はトヨタの公式FAQです。同じ車名でもガソリン車とハイブリッド車で位置が違う場合があります。トヨタは、車種によってはカバーを自分で外すのが難しい場合があり、その際は販売店に相談するよう案内しています。無理に外さないでください。救援用端子がある車種はそこにつなぎます(有無と位置は取扱説明書の「補機バッテリーがあがったときは」で確かめられます)。見つからないときは救援を呼んでください。
ホンダのハイブリッド車(フィット e:HEV・インサイト)
フィット e:HEV(2021年)の取扱説明書では、12Vバッテリーはボンネット内にあります。救援を受けるときは、自分の車の+、救援車の+、救援車の−、最後に自分の車のエンジンのスタッドボルトの順につなぎます。外すときは、スタッドボルト、救援車の−、自分の車の+、救援車の+の順です。同じホンダ車でも、インサイト(2022年)は「ジャンプスタートボックス」の端子につなぐなど、つなぐ場所が車種によって違います。
軽自動車などのマイルドハイブリッド
マイルドハイブリッドは、車種ごとにバッテリーの構成と救援の可否が違います。前述のとおり、日産のS-HYBRID車の一部はほかの車の救援ができるなど、ストロングハイブリッドと扱いが異なる車種があります。救援を受ける場合も、する場合も、取扱説明書の「バッテリーがあがったときは」の項目を先に確認してください。
輸入車のハイブリッド車・電気自動車
輸入車は、補機バッテリーや救援用端子の位置、救援の手順がメーカーごとに異なります。取扱説明書で確認できない場合は無理に作業せず、救援を呼んでください。瀬戸内ロードレスキューへのお電話では、車名と年式をお伝えください。
電気自動車・プラグインハイブリッド車も同じ?
同じです。12Vバッテリーが上がると、走行用のバッテリーが満充電でもシステムが起動せず、走れません。
JAFは、電気自動車やプラグインハイブリッド車が12Vバッテリーを積んでいるのは、システムをオフにしている間に高電圧の駆動用バッテリーを切り離し、安全を確保するためだと説明しています。また、走行中は駆動用バッテリーから12Vバッテリーへ電気が送られているため、供給経路に故障がない限り、走行中に12Vバッテリーが上がることはないとしています。
自分で救援するか、呼ぶかの判断
| 状況 | どうするか |
|---|---|
| 12Vバッテリーの救援車とケーブルがあり、救援用端子の場所が取扱説明書でわかる | 自分で試す |
| 補機バッテリーが後席の下やトランクにあり、カバーの外し方がわからない | 呼ぶ |
| 救援車が12Vのガソリン車・ディーゼル車ではない(ハイブリッド車・電気自動車・24Vのトラックなど) | 呼ぶ |
| 2〜3回試してもREADYが点かない | 呼ぶ |
| 走行車線・路肩など、危険な場所に止まっている | 先に避難してから呼ぶ |
瀬戸内ロードレスキューは、ハイブリッド車・電気自動車の補機バッテリー上がりにも対応します。補機バッテリーの位置と作業手順は車種によって異なるため、お電話の際に車種と年式をお伝えください。お電話でのご相談・お見積りは無料です。
料金は基本料金16,500円に作業料を加えた合計額で、バッテリー上がりは合計20,900円からです。深夜割増料金は基本料金に含まれており、昼でも深夜でも同じ料金です。このほか、出張費、高速道路利用料、部品代などが別途かかる場合があります。金額はすべて税込で、作業を始める前にご案内します。現場では外から電気を送ってシステムを始動させる応急対応を行い、バッテリー本体の交換は行っていません(整備工場への搬送は対応します)。詳しくは料金のページとバッテリー上がりの対処と料金をご覧ください。
対応エリア
広島県: 福山市・東広島市・三原市・尾道市・府中市・世羅町・神石高原町 岡山県: 岡山市・倉敷市・総社市・笠岡市・浅口市・井原市・高梁市・津山市
備前市・赤磐市・瀬戸内市は、距離の都合で対応していません。広島市・呉市も対応エリアには含みません。
福山市では最短20分で到着した実績があります。現場の場所や交通状況によって前後します。
よくある質問
Q. プリウスの補機バッテリーはどこにありますか? A. 年式で違います。トヨタの公式FAQでは、2009年5月〜2015年12月の型はラゲージルーム下部(運転席側)のカバー内、2023年1月以降の2.0L車はラゲージルーム(運転席側)のラゲージサイドトレイ内です。2015年12月〜2022年の型と2023年以降の1.8L車はトヨタの公式FAQの表に載っていないため、取扱説明書で確かめてください。
Q. アクアの補機バッテリーはどこにありますか? A. トヨタの公式FAQでは、2011年12月以降・2021年7月以降の型とも、リヤシート下(運転席側)のカバー内です。救援を受けるときは、現行型の取扱説明書ではボンネット内のヒューズボックスにある救援用端子を使います。
Q. ハイブリッド車でほかの車のバッテリー上がりを救援できますか? A. 原則としてできません。JAFのほか、トヨタ(アクア)とホンダ(インサイト)の取扱説明書、日産のFAQが、救援には使えないと案内しています。例外として、日産はデイズ(AA1)・ルークス(BA1)・セレナ(C26・C27)のS-HYBRID車は救援が可能としています。
Q. 走行用のバッテリーが残っていれば動きますか? A. 動きません。12Vの補機バッテリーが上がると、走行用のバッテリーが満充電でもシステムを起動できません。
Q. ハイブリッド車のバッテリー上がりを防ぐには? A. トヨタは、2週間に合計30分、冬は2週間に合計80分を目安に運転するよう案内しています。エンジンを切った状態での電装品の使い過ぎにも注意してください。
Q. ハイブリッド車や電気自動車でも来てもらえますか? A. はい。ハイブリッド車・電気自動車の補機バッテリー(12V)上がりに対応します。補機バッテリーの位置と作業手順は車種によって違うため、お電話の際に車種と年式をお伝えください。
この記事の監修者・運営者
監修: 上田(一級自動車整備士・株式会社LIFIX 所属) 運営: 株式会社LIFIX(瀬戸内ロードレスキュー) 最終更新: 2026年9月11日
参照した出典
- トヨタ自動車 よくあるご質問「ハイブリッド車でも「バッテリーあがり」は起こりますか?」(2026年9月11日確認)
- トヨタ自動車 よくあるご質問「補機バッテリーの搭載位置を教えて。」(2026年9月11日確認)
- トヨタ自動車 アクア取扱説明書「補機バッテリーがあがったときは」(2026年9月11日確認)
- 本田技研工業 フィット e:HEV(2021)取扱説明書「12Vバッテリーがあがったとき」(2026年9月11日確認)
- 本田技研工業 インサイト(2022)取扱説明書「12Vバッテリーがあがったとき」(2026年9月11日確認)
- 日産自動車 よくあるご質問「電気自動車やハイブリッド車は、バッテリーが上がっている他車を救援できるか教えて。」(2026年9月11日確認)
- JAF クルマ何でも質問箱「自動車のバッテリー上がりと応急処置」(2026年9月11日確認)
- JAF クルマ何でも質問箱「BEVやPHVの補機類用の12Vバッテリーがあがってしまうと走行不能になるのですか?」(2013年2月時点の記事・2026年9月11日確認)
- JAF「ルームランプが暗くエンジンがかからない原因と対処方法」(2026年9月11日確認)
